えとぶんでえすいーのブログ

したっぱシステムエンジニアが日々気づいたことを絵と文で書く(SE色薄め)

【贖罪】兄のエロ本を捨てた話

こんばんはたまリモです。

何の罪にあたるのかわからない上にもう時効(であってほしい)なので白状します。小学校6年生のとき、兄(当時中学二年生)のエッチな本、俗に言うエロ本を勝手に捨ててしまったことがあります。ので、その話をします。もしかしたら男性の方には怒られる内容かもしれません。ごめんなさい。贖罪の話です。

世にいる全ての兄を持つ妹に当てはまる話だと思うんですけど、幼少期の妹って特に自己中心的で「兄のものは私のもの、私のものは私のもの」みたいな身勝手さがあるじゃないですか。とんでもないジャイアニズムなのですが、なぜか妹ってそう育ってしまうんですよね。例に洩れず私もそんな不届きな妹で、兄が私のベッドに寝転がろうものなら激昂して叩き出していたのにもかかわらず、自分は兄の部屋で勝手にゴロゴロするし勝手に私物を漁っていました。やたらウンコやらちんこやらが出てくる漫画が描かれたノートも勝手に読んでは鼻で笑っていましたし、なぜか学校内の恋愛模様を書き留めたメモ(好きな人と好かれている人を図表化して整理)なんかも発見しては兄の趣味の悪さに辟易としていました(お前が言うなと今では思います)。
だいたい皆さん察しがつくとは思いますが、いつも通り兄の部屋で目ぼしいもの(新しい文具や前述のようなノートやメモ)がないかと捜索していると、学習机の引き出しの中に、前に覗いたときにはなかった本があるんですよ。実はそれは引き出しの中でも鍵付きのところに入っていたのですが、私と兄は同じ型の学習机を使っていたので、私の机の鍵で兄の机の鍵も開けられちゃうんですね。いまシステムの仕事をしている身としては、当時のセキュリティ意識の低さに震えます。家具のメーカーさんには、妹のいる兄のプライバシーを保護するためにも、学習机の引き出しに指紋認証等を取り入れることを強く勧めたいですね。

話は戻って、兄の秘蔵(?)のエロ本を見つけてしまった当時11歳の私(兄の名誉のために明記しておきますが、特に将来が心配になるような趣味のものはありませんでした。あしからず)。実のところ大変ショックでした。私はこのように家庭内隠密活動をする等の大人な一面を見せる一方で、兄が「オレは将来サッカー選手になる」という夢を中学生くらいまで絶対叶うと信じ続けるといったピュアなこどもの側面も持ち合わせていたのです(なお、その後いつのまにか「オレは弁護士になる」「ゲームデザイナーになる」「公認会計士になる」等と次々変わっていったため現実に気づいたという思い出があります。ちなみにいま兄はただの会社員です)。だから「あの兄がこんなエッチな本を……」と大ショックを受けたのです。さらに私の家は「学校で好きなコがいる」というレベルですら男女の話が話題に上がることがなかったため、まさかそんな性的な(それもキス以上の過激な)文化がこの家に持ち込まれるなんて!と驚愕し恐れおののいたことをよく覚えています。「もしかしてこれは兄のものではなく、誰か友達から無理やり渡されたのでは……?」という(いま思えば)超解釈も生まれたほどです。

大混乱となった私が行き着いた先は「これ、捨てよう!」でした。なぜそういった極端かつ残酷な行動に出たのかいまとなってはわかりませんが、我が家にそういう文化が入ってくるのをどこか恐ろしく思ったのかもしれません。よく世界史で「宗教による民衆の結束を恐れた王は、その宗教に関連する書物を焼き払い排除しようとした」とか出てくるじゃないですか。「焚書坑儒」みたいなやつ(これが今回一番偏差値高い単語です)。その王様と同じ心理ですよ。危険因子は除こうとしたんでしょうね。

ではどこに捨てるのか。単純にゴミ箱に入れても捨てたことが兄にバレてしまうし、なにより民衆(ここでは両親)に見つかってはまずいと考えました。異文化が入ってきた形跡すら悟らせたくないと思ったんですね、私という王は。あと、なぜだか見つかったら兄が怒られるような気もしていました。不思議な心理状態なのですが。

じゃあどこか外に、ということで、何を思ったのか隣のアパートの入り口のあたりに捨てに行きました。適当な紙袋に入れて。あまりアレを持って遠くに行きたくない、という心理も働いたのでしょう。「一番近い我が家じゃない場所」と考えたのかもしれません。無事誰にも見つからず任務を遂行し、異常に気付いた兄が「オレの本知らない?」とブッコんでくることもなく(そりゃ言えないよ)、我が家と私の心に再び平和が訪れた

……と思いきや!数日後、兄の引き出しを漁っていた私(懲りない)はまたしても例の異文化の本を見つけてしまったのです。それも前回は2、3冊程度だったのが今回はもはや鍵付きの引き出しに収まらず、通常のセキュリティゼロの引き出しにも及ぶほどの量でした。このとき私は「あ、これは友達に渡されたとかじゃねーわ。兄の私物だわ」と自然と悟りました。大人の階段登りました。とはいえこれが危険因子であるという考えは変わらず「さて、これも捨てに行かねば」と思ったのですが、それと同時に頭に浮かんだのは「なんかめんどくせーわ」ということでした。隣とはいえなんで私がアパートまで捨てに行かなきゃいけないんだ、クソ面倒臭い、と謎の怒りすら覚えました。とはいえこのような物が家にあるのは不快だし、と考えた結果、あろうことか私は「隣のアパートの2階に投げ捨てる」という暴挙を思いついたのです。

我が家は2階建ての一軒家で、2階にある兄の部屋からは、同じく2階建ての隣のアパートが見えていました。そこで以下のような犯行に及んだのです。

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いま考えると本当に当時のアパートの住民の方には申し訳ないことをしました。御在宅だったかはわかりませんが、突然天井から何かそれなりに質量のある物がぶつかる音がすれば不安に思うに違いありません。しかもそれがエロ本だったとすれば不安&不快極まりないじゃないですか。本当にすみませんでした。

当時はこのように隣人に思いを馳せることもなく、何度か(少なくとも2度は)このようなアクロバット不法投棄を繰り返しました。次第に私も大人になっていき(供給のスピードが著しく上がったこともあり)めんどくささが上回ってやめたのですが、先日実家に帰った際に例のアパートが取り壊されているのを見て「あ、あのエロ本、どうなったんだろう」と思い出した次第でございます。あのときは各方面にご迷惑をおかけしたと深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした。ちなみにいまも兄とはこの話はできずにいます。たぶん一生しないのでしょう。全く情けない話ですが、墓場まで持っていくんだろうなと思っています。

お兄ちゃん、ごめんね。

 

おしまい。