えとぶんでえすいーのブログ

したっぱシステムエンジニアが日々気づいたことを絵と文で書く(SE色薄め)

女の言う「かわいい」の信頼を取り戻せ!の話

こんばんはたまリモです。

世間では(私の言う世間とはネットの一部地域のことなのでどこまで実際の世論と異なるのかわかりませんが、という長い言い訳というか保険はさておき)女子の言う「かわいい」は信用がないらしいですね。
よく聞く、というか見かけるのが
「女芸人をかわいいと言うから『お前に似てるよな』」と言ったら怒った」
といった日常に潜むトラップにかかった話、
「合コンで『かわいいコを連れてくる』と言っていたのに明らかに自分より下のレベルを連れてきた」
といった詐欺同然の行為に遭った話、そして
「かわいいって言ってる自分がかわいいと思ってる」
といった精神の在り方を問う話、の3つです。

どこの誰が言ったのかわからないけれど、その「かわいい」にはちゃんと理由があるんですよ、まあまあその刀を納めなさいよってことで、上記3つについてQA形式で弁解したいと思います。なお私の意見であって女子の総意ではないのであしからず(また保険)。

 

Q1女芸人をかわいいと言うから「お前似てるよな」と言ったら怒られたんだけど?

A1)「かわいい」にはイロイロあるんだよ!

これに尽きます。だって「カッコいい」だってそうでしょう。妻夫木くんがカッコいい。赤のポルシェがカッコいい。全裸のお盆一枚で勝負してるのがカッコいい。どれもカッコいい、それと同じです。ガッキーがかわいい。くまモンがかわいい。小さく咲く花がかわいい。イロイロあるんです。「この腕時計カッコいいな!」「お前に似てるな」「……」っていうことですよ。女芸人をかわいいというのも、まあくまモンみたいなものだと思ってると思っていただいてよいです。似ていると言われても嬉しくないのはそのためです。「え、そういうカテゴリーじゃないんだけど、なに的外れなこと言ってんの?」ってことです。同じ人間に対して紛らわしいよ!と思うかもしれませんが、そもそも女のかわいいが幅広くあるから皆さんも母親にかわいいかわいい言われて育てられたと思えば有難い気持ちにもなるかと思います。

 

Q2合コンで「かわいいコを連れてくる」と言っていたのに明らかに自分より下のレベルを連れてきたんだけど?(怒)
A2)しょうがない、人間だもの

これはごめんなさい。私は元々どんなメンツでもモテた試しがないので、たとえ幹事であっても下のレベルを連れて行こうとは思わないのですが(というか下のレベルの人間が稀だよ)、まあ気持ちはわかります。誰だってチヤホヤされたいし、チヤホヤされるのを横目で見るのはおもしろくないものです。合コンもボランティアじゃないですから、利益を得たいと思ったら自分に有利な戦局になるよう画策するのは当然です。対策としては、幹事をかわいい人、もしくは下のレベルがいないほどの顔面の人に頼むしかありません。いやしかし女の子は内面だよ!(何かの保険)

 

Q3かわいいって言ってる自分がかわいいと思ってるんでしょ?
A3)そもそもカワイイカワイイ言ってる女のコってかわいいか?

質問に質問で返すという禁じ手を使って申し訳ないのですが、正直不思議です。別にかわいいって言ってる女のコってかわいいとは思いませんけど…かわいいですか? むしろなんでもかんでもかわいいかわいい言ってるのってアホみたいじゃないですか? これは男性の側の意見を聞きたいところです。あんまり「かわいいと言ってる女のコ萌え」って聞いたことないので、これは誤解というかうまいこと言おうとして事実から離れてしまったイチャモンのような気がするのですが……。そりゃここでは書けないような罵詈雑言を言う女子よりかわいいかわいい言ってる女子の方がいいですけど……どうなんでしょう? 「かわいいと言ってる女のコ萌え」の人がいたら教えてください。

 

最後やや適当ですが、女のコの言う「かわいい」の真意を知ることができたでしょうか。ま、あんまり意味ない言葉だと思ってもらっていいです。掛け声みたいなもんですよ。「ヨイショ!」みたいな。でも言ってあげると気持ち的に勢いがついて嬉しい言葉ではあるので、うまく活用してください。(関係性によってはセクハラになるので注意)
そうそう、合コンで顔面偏差値が高いコを連れてきたければ「美人なコ」と指定した方がいいように思います。かわいいより狭義かと思いますので、少し信頼度は増すのではないでしょうか。あ、でも人間は内面ですけどね(やっぱり保険)。

熟年夫婦の「最後の晩餐何食べる?」で羨ましくもほっこりした話

こんばんは、たまりもです。

表題の話をします。

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※特になくてもよい絵

 

「最後の晩餐なに食べる?」

なんて話、たまにしますよね。

「カレー」←本当に好物なんだなあ

「白飯と味噌汁」←なんかカッコつけてない?

「フグの肝」←最期まで好奇心を忘れないのね

「死んだ母さんのにぎってくれたおにぎり」←……悲しくなるよ…というか聞きたいのはそういうことじゃないよ…

とまあ人によっていろんな答えが返ってきて、そこから人柄が伺えたりして、暇つぶしにはもってこいのテーマなわけです。(ちなみに先日私がこの話をしたときは「最後の晩餐とは自分だけの話(死刑執行等)なのか、それとも世界全部なのか(隕石衝突等)ハッキリしてくれないと決められない」という設定自体に物言いが付けられて結論が出ずに終わりました。そう考えるとあんまもってこいじゃないかも)

先日ひとりで鰻屋に行ったんですが、そのとき隣のテーブルの夫婦がこのテーマについて話していました。どちらも60過ぎくらいで、奥様はショートカットでチャキチャキしたカッコイイ感じ、一方ご主人は大人しめの、どちらかといえば寡黙な雰囲気の方でした。こちらはひとりなもんですから、鰻を食べながら、その話をBGM代わりになんとなく聞いていたのです。どうやらこのお店には定期的に来られているらしく、「今年も来られてよかったわね」「やっぱりここおいしいわね」などと言い合っており、なかなか仲睦まじい感じなんですよ。うらやましい。

すると奥様の方が突然

「あなた、最後の晩餐は鰻とステーキどっちがいい?」

と持ち出してくるではないですか、例のテーマを。私は(最後の晩餐、その2択なの?ご主人の好物なの??)と思いながら耳が離せません。

以下会話形式で。(奥様:奥、ご主人:主、私:私)

主「なんで急にそんなこと」

奥「どっちが好きなのかなと思って」

主「う〜〜〜〜〜ん……高級感で言ったら、鰻かなあ」

私(2択でよかったのかー!っていうかステーキは高級じゃないのー?)

奥「そうなのね」

主「うん……

その前の日はステーキ」

私「!?(え〜〜〜!そんな何日も献立表作るのアリ!?)」

最後の晩餐の前の日を持ち出すのズルいじゃないですか!ご主人の柔軟な発想と突然のワガママっぷりに驚きつつキュンとする私。話はまだ続く。

奥「前の日はステーキなの?

……じゃあその前の日は?」

私(おお、奥様うわてだわ…)

主「う〜ん……」

奥「ちくわの煮たやつ?」

私(!!!!!???????)

そのあと特に「ちくわ!?」ともならずに別の話題を続ける夫婦。しかしちょっと立ち止まってよく考えて欲しい。まさかの3位が「ちくわの煮たやつ」ですよ!なんですかそれおいしいの!?1位鰻、2位ステーキ、からの3位ちくわの煮たやつ!!料理名ですらなし!夫婦にとってはフツウの会話かもしれないですけど、私はこの一部始終を心に刻み付けることに決めましたね。

そしてこうなるとね、もう勝手に心温まるスイッチが入りますよ。炭に一度火が入ったらあとは放っておいても消えることがないように、どんどん私の中で温かさが増していきます。きっとご家庭でも、奥様が夕食にちくわを煮ていると、ご主人が鍋を覗いて「おっ、ちくわの煮たやつか…」なんて言うんだろうな、とか。「それ好物なんだよ、ありがとう!」なんて言われずともわかるんですよ奥様には…とか。(あの人意外とこんな庶民的なもの好きなのよね)なんて思ってたりして…ご主人の誕生日のご馳走(もちろんステーキ)に付け合わせとして静かに横たわってたりして……とか!

私がちくわのくだりから脳内二次創作をこしらえてほっこりしている内に、この夫婦は「今度ロイヤルホスト行きましょう、ご無沙汰だから」「ミックスフライ定食とか食べたいわ」と話しながら鰻屋を去って行きました。

こんな結末の「最後の晩餐」聞いたことないですよ。しかしかなり思うところがありました。別に会話の内容としては爆笑する要素もないし、実際お二人もほとんど笑っちゃいなかったのですが、夫婦や恋人同士の会話の行き着く先ってここでありたいなと思わせるなにかがあるんですよね。

私は趣味で深夜ラジオをよく聞くのですが、そこでの話って「内輪話」になりやすいんですよね。「パーソナリティとリスナーだけがわかる話」ってのがおもしろいんですよ、特に深夜のテンションでは。私が好きだった「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」なんてそれの最たるものと思っていて、あの番組のリスナーなら「まいったね」「先行ってっかんな!」「マックミランだからね」なんてワードを交わすだけでニヤニヤと笑いあえるはずです。そもそも笑いって内輪なもんじゃないですか。誰もが聞いて面白いことなんてそうないし、それは友達同士の会話だって同じことでしょう。

話は戻って、夫婦や恋人の会話って、突き詰めると「思い出を起因にした話」が8割なんじゃないの、って思うんですよね。もちろん「今」の話もするんでしょうけど、特に老後お互い家にいるってなったら、何か特別報告することもなさそうじゃないですか。そういうとき「あのときこうだった」「ああだった」っていう二人しかわからない、端から聞いても何が面白いのかわからないことを話す喜びというか、積み重ねてきたからできる会話をするんじゃないでしょうか。ちくわの話も、ご夫婦ふたりのちくわエピソードがあったから生まれたような気がするんですよね。結婚しない人が増えたなんて言われて、まあ結婚しない自由もあるよなとも考えるんですけど、こういうの聞くと「やっぱりいいな〜夫婦」って思います。

 

私もちくわの話を誰かとできるようになりたいものです(かなりざっくりした結論)。

 

おしまい。

【贖罪】兄のエロ本を捨てた話

こんばんはたまリモです。

何の罪にあたるのかわからない上にもう時効(であってほしい)なので白状します。小学校6年生のとき、兄(当時中学二年生)のエッチな本、俗に言うエロ本を勝手に捨ててしまったことがあります。ので、その話をします。もしかしたら男性の方には怒られる内容かもしれません。ごめんなさい。贖罪の話です。

世にいる全ての兄を持つ妹に当てはまる話だと思うんですけど、幼少期の妹って特に自己中心的で「兄のものは私のもの、私のものは私のもの」みたいな身勝手さがあるじゃないですか。とんでもないジャイアニズムなのですが、なぜか妹ってそう育ってしまうんですよね。例に洩れず私もそんな不届きな妹で、兄が私のベッドに寝転がろうものなら激昂して叩き出していたのにもかかわらず、自分は兄の部屋で勝手にゴロゴロするし勝手に私物を漁っていました。やたらウンコやらちんこやらが出てくる漫画が描かれたノートも勝手に読んでは鼻で笑っていましたし、なぜか学校内の恋愛模様を書き留めたメモ(好きな人と好かれている人を図表化して整理)なんかも発見しては兄の趣味の悪さに辟易としていました(お前が言うなと今では思います)。
だいたい皆さん察しがつくとは思いますが、いつも通り兄の部屋で目ぼしいもの(新しい文具や前述のようなノートやメモ)がないかと捜索していると、学習机の引き出しの中に、前に覗いたときにはなかった本があるんですよ。実はそれは引き出しの中でも鍵付きのところに入っていたのですが、私と兄は同じ型の学習机を使っていたので、私の机の鍵で兄の机の鍵も開けられちゃうんですね。いまシステムの仕事をしている身としては、当時のセキュリティ意識の低さに震えます。家具のメーカーさんには、妹のいる兄のプライバシーを保護するためにも、学習机の引き出しに指紋認証等を取り入れることを強く勧めたいですね。

話は戻って、兄の秘蔵(?)のエロ本を見つけてしまった当時11歳の私(兄の名誉のために明記しておきますが、特に将来が心配になるような趣味のものはありませんでした。あしからず)。実のところ大変ショックでした。私はこのように家庭内隠密活動をする等の大人な一面を見せる一方で、兄が「オレは将来サッカー選手になる」という夢を中学生くらいまで絶対叶うと信じ続けるといったピュアなこどもの側面も持ち合わせていたのです(なお、その後いつのまにか「オレは弁護士になる」「ゲームデザイナーになる」「公認会計士になる」等と次々変わっていったため現実に気づいたという思い出があります。ちなみにいま兄はただの会社員です)。だから「あの兄がこんなエッチな本を……」と大ショックを受けたのです。さらに私の家は「学校で好きなコがいる」というレベルですら男女の話が話題に上がることがなかったため、まさかそんな性的な(それもキス以上の過激な)文化がこの家に持ち込まれるなんて!と驚愕し恐れおののいたことをよく覚えています。「もしかしてこれは兄のものではなく、誰か友達から無理やり渡されたのでは……?」という(いま思えば)超解釈も生まれたほどです。

大混乱となった私が行き着いた先は「これ、捨てよう!」でした。なぜそういった極端かつ残酷な行動に出たのかいまとなってはわかりませんが、我が家にそういう文化が入ってくるのをどこか恐ろしく思ったのかもしれません。よく世界史で「宗教による民衆の結束を恐れた王は、その宗教に関連する書物を焼き払い排除しようとした」とか出てくるじゃないですか。「焚書坑儒」みたいなやつ(これが今回一番偏差値高い単語です)。その王様と同じ心理ですよ。危険因子は除こうとしたんでしょうね。

ではどこに捨てるのか。単純にゴミ箱に入れても捨てたことが兄にバレてしまうし、なにより民衆(ここでは両親)に見つかってはまずいと考えました。異文化が入ってきた形跡すら悟らせたくないと思ったんですね、私という王は。あと、なぜだか見つかったら兄が怒られるような気もしていました。不思議な心理状態なのですが。

じゃあどこか外に、ということで、何を思ったのか隣のアパートの入り口のあたりに捨てに行きました。適当な紙袋に入れて。あまりアレを持って遠くに行きたくない、という心理も働いたのでしょう。「一番近い我が家じゃない場所」と考えたのかもしれません。無事誰にも見つからず任務を遂行し、異常に気付いた兄が「オレの本知らない?」とブッコんでくることもなく(そりゃ言えないよ)、我が家と私の心に再び平和が訪れた

……と思いきや!数日後、兄の引き出しを漁っていた私(懲りない)はまたしても例の異文化の本を見つけてしまったのです。それも前回は2、3冊程度だったのが今回はもはや鍵付きの引き出しに収まらず、通常のセキュリティゼロの引き出しにも及ぶほどの量でした。このとき私は「あ、これは友達に渡されたとかじゃねーわ。兄の私物だわ」と自然と悟りました。大人の階段登りました。とはいえこれが危険因子であるという考えは変わらず「さて、これも捨てに行かねば」と思ったのですが、それと同時に頭に浮かんだのは「なんかめんどくせーわ」ということでした。隣とはいえなんで私がアパートまで捨てに行かなきゃいけないんだ、クソ面倒臭い、と謎の怒りすら覚えました。とはいえこのような物が家にあるのは不快だし、と考えた結果、あろうことか私は「隣のアパートの2階に投げ捨てる」という暴挙を思いついたのです。

我が家は2階建ての一軒家で、2階にある兄の部屋からは、同じく2階建ての隣のアパートが見えていました。そこで以下のような犯行に及んだのです。

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いま考えると本当に当時のアパートの住民の方には申し訳ないことをしました。御在宅だったかはわかりませんが、突然天井から何かそれなりに質量のある物がぶつかる音がすれば不安に思うに違いありません。しかもそれがエロ本だったとすれば不安&不快極まりないじゃないですか。本当にすみませんでした。

当時はこのように隣人に思いを馳せることもなく、何度か(少なくとも2度は)このようなアクロバット不法投棄を繰り返しました。次第に私も大人になっていき(供給のスピードが著しく上がったこともあり)めんどくささが上回ってやめたのですが、先日実家に帰った際に例のアパートが取り壊されているのを見て「あ、あのエロ本、どうなったんだろう」と思い出した次第でございます。あのときは各方面にご迷惑をおかけしたと深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした。ちなみにいまも兄とはこの話はできずにいます。たぶん一生しないのでしょう。全く情けない話ですが、墓場まで持っていくんだろうなと思っています。

お兄ちゃん、ごめんね。

 

おしまい。

気胸になった日(入院!編)

前回までのあらすじ

「心臓が痛い」と半ば脅して仕事を早退したが医者には「よくわからんけどそういうことある」とざっくりした診断をされ何か病名がないとかっこつかないと焦った著者は2ちゃんねるスレッドから「気胸」という肺の病気にたどり着き確実な診断もとい早退した大義名分をもらうべく病院に行くことにした。

 

前回の記事

tamarimo.hatenadiary.jp

 

2.再診!

正しい診断を受けるべく、あらためて病院に行くことにしました。今度は循環器科狙い撃ちです。会社の上司には「今日は専門の先生がいなかったみたいで、明日また来るように言われました」と実にそれっぽい理由をつけて翌日も休むと連絡。
翌朝。時間通り会社に行かなくていいってなんてすがすがしいんだろう、これだけで病気も治りそう……とつい考えてしまうけれど、今日という日を心置き無く休むために病院へ。待合室はそれなりに混み合っていましたが、待つこと約10分、診察室へ。
ここで肝に命じていたのは、決して自分から「気胸だと思うんですけど」と言わないことです。ネットで仕入れてきたニワカ知識(それも2ちゃん)で自己診断してくるやつほど厄介な患者はいないでしょう(たぶん)。お医者様のご機嫌を損ねないように細心の注意を払って問診を受けます。担当は40手前と思われる若い男性医師でした。
「胸が痛いんですよ(気胸気胸気胸…)←心の声」
「なるほどねぇ、風邪引いてるとかある?」
「引いてないです~(気胸気胸気胸気胸!)←心の声」
「そうかぁ~」
「横になるとポコポコ音が聞こえるんです(ほら、気胸気胸気胸気胸気胸!!)」
「う~ん、じゃあま、レントゲン撮ってみようか」
「ハイ!」
病人とは思えないいい返事をする私。気胸であればレントゲン写真に縮んだ肺が写るはず……やや勝負師の顔でレントゲン室に入ります。パシャリと撮り終わり、待合室で結果を待っていると、先ほどの医師がパタパタと小走りで現れ、
「たまリモさん!気胸気胸だよ!」
無罪を勝ち取ったかのようなテンションで告げました。私も苦難の末に無実を勝ち取ったような気持ちになり「でしょう!」と言いたい気持ちを抑え
「えっ気胸?」
と、まるで初めてその病名を聞いたかのように驚きました。

「そう、気胸!聞いたことない?矢部っちとかかかったの」

「そうなんですか!」

これ進研ゼミでやったところだ!ばりにネットで調べた情報が出てきます。しかし既に気胸のことを知っていると悟られてはならず、純粋に驚くことは忘れません。

「じゃあ入院だね!今日から!」

「え」

 

3.入院!

こうして入院することになりました。かなり巨大な大義名分を得てしまいました。

不謹慎に思われるかもしれませんが、私は「若いうちに一度は入院しておきたい」と考えていました。というのも、例えば自分が数十年後、老婆になって初めて体調を崩し入院するとなったとして、それは自宅to病院の片道切符の可能性が高いのではないでしょうか?先に退院が待っている入院とそうでない入院は心持ちが全く違うと思っていて、数十年後の老婆の自分にそんな悲しい初めてを体験させるくらいなら、今、大した病気でなくても入院するという経験をしておきたいと思っていたのです。

4泊5日の入院生活。脇の下?まあ肺の横あたりからチューブを差込み、縮んでしまった肺を膨らますのです。常に脇からチューブで繋がっている(点滴のようにガラガラと持ち歩きも可能)のは不便ではありましたが、特に痛むでもなく、それよりもずっと寝っ放しなので腰痛が辛かった記憶があります。常に「イイ感じ」の姿勢を探していました。

病室は4人部屋の通路側。カーテンで区切られています。私以外全員おばあさん。初めての入院生活で困ったことはいくつかありましたが、やはり相部屋ならではのものが多いですね。隣りのおばあさんは夜中もずっとテレビが付けっ放しで、音は聞こえないんですが光がチカチカするから気になって(日中ゴロゴロしているだけで疲れていないのもあり)寝れないんですよ。一度「どうせ見てないんじゃないの?」と思い、自分のところのテレビのリモコンをカーテンの隙間に差し込み電源を切ってやることを試みましたが無理でした。うつ伏せに寝ました。

あと他所の話はわりと筒抜なんですよね。相部屋の誰かのところにお見舞いが来ておしゃべりしているのをなんとなく聞いていたりするのですが、やれあの子は見舞いに来るだの来やしない等の愚痴も耳に入ったりして、自分の未来の姿を思って心が痛むものです。皆さん億劫かと思いますがお見舞いには定期的に行ってください。

私の方にも一度兄がお見舞いに来てくれたのですが、ちょうど私が入院したのはクリスマスの頃だったので、簡易なクリスマスツリーとコンビニのケーキを買ってきてくれました。ベッドのテーブルにツリーを飾り付け、コンビニのスプーン(なぜかフォークではない)でケーキをもくもくと食べたのをよく覚えています。なんかわびしい気持ちもあったのですが、ありがたかったですね。美談ですかねこれ。

 

4.退院!しかし

そんなこんなで、無事5日間の入院を終え、退院しました。それから1ヶ月後に再発してまた入院したり、2ヶ月後に再発して入院したりしたのですが、もう辛気臭いので詳細は割愛します。そう、気胸って再発しまくる病気なんですよ!一度穴が空いたところはちょっとのきっかけでまたパカッと空いてしまうようなのです。ちなみに1回目の再発は母の誕生日ケーキを買ってテンションが上がって小走りになった瞬間のことでした。穴が空いた感じって自分でもわかるんですよね〜。このときは咳が止まらなくなって、寝るときも辛かったです。

再発再発ときたので、最終的には穴の空きやすくなったところを除去する手術をしました。内視鏡の手術だったので開腹はなかったのですが、これが猛烈痛かったです。手術中はもちろん麻酔が効いているので痛みはないのですが、やっぱり体に穴を空けると痛いんですね!術後(といっても半日くらい)は痛みで悶絶していました。「数時間後には麻酔が効きますよ」なんて言われても「え、この痛みが数時間も続くの……?」とかなり絶望しましたね。自分が病気を苦に自殺する人の気持ちが少しだけわかりました。

 

5.結論!

やっぱり健康が一番ですね!病気になることがいかにコストであるか、最後の手術の精算をしたときに痛感しました。気胸は原因不明なので気をつけようがないのですが、もう二度とあんな思いはしたくないものです。こればっかりは天に祈るしかないですね。

 

(おわり)

 

余談

前回書いた通り、数年前は「胸が痛いなんて今までになかったことだ!なにか異常があるはず!」と思い気胸が発覚したわけですが、いまは肺のあたりに違和感を覚えたり心臓付近がチクチクしたりすることがわりと日常的に発生するので、次は気づける気がしません。どうしよう。

気胸になった日(発見!編)

こんばんはたまリモです。


気胸という病をご存知でしょうか。簡単に言うと、肺に穴があいて縮んでしまうという病気です。痩せ型で若い男性に多いことから、「イケメン病」なんて言われることもあるとか。芸能人だと俳優の佐藤健さんや嵐の相葉くん、ナインティナインの矢部さんが罹患したと報じられています。

今回は、特に若くも痩せてもなく男でもない私が気胸になった日の話をします。もう数年前の話です。ご自分や家族の方がかかった場合や、「相葉くん、こんな目にあってたんだ……かわいそう……でもがんばっててえらすぎ……(涙)」と思いを馳せたい場合にご活用できる知識をお伝えできたらと思います。

 

1.発見!
その日は12月も後半で、長く続いていた案件も無事稼働し、珍しく穏やかな頃でした。仕事と言えば終わった案件の資料をまとめるくらいで、定時が来たら速やかに帰宅し、あとは年末年始を待つばかりというすこぶるSEらしくない日々。
そんなある日の昼過ぎくらい、胃でも腸でもなく…ちょうど左の胸あたりに痛みがあることに気づきました。といっても強い痛みではなく、なんだかぼんやりと痛いかな、という程度。しかし左の胸と言えば、吸血鬼を殺すときに狙ったり祭壇に捧げたりする重要パーツがあるところです。普段やたら「痛い」「もたれてる」「ムカムカする」「ガスたまっとる」等とやかましい胃腸と違って普段はまるで静かな彼。その彼が何か伝えようとしている……?少しの不安と、もうやることないし早く帰りたいなという気持ちたくさんから、早退を決意しました。プロジェクトのリーダーに「病院行くので早退します」と伝えると、「えっなんで?」との返答。「そうなんだ気をつけて」くらいの返しを予想していた私は動揺して、つい「心臓が痛いので」と答えてしまい、「え!?大丈夫なの…?!」というリーダーを尻目に会社を出ることになりました。変な心配かけてごめんなさい。
思いがけず重病疑惑を仄めかして職場を脱した私は、最寄りの病院に行きました。しかしその日は木曜日、病院は定休日だったんですね。それなら仕方がないということで、職場近くの内科がある病院を片っ端から訪ねていきましたが、どこも休みだったり予約必須だったりでなかなか診察を受けられません。とても我慢できない痛みではないとは言え、心臓が痛いと言って早退をかました手前「気のせいでした☆」という結論は避けたい。何か異常見つかれ~と不謹慎にも半ば祈るように彷徨い歩く。結局、隣駅まで歩き、駅前のイオンにあるクリニックで診察を受けることができました。お医者さんはおじいさんに片足突っ込んだくらいの男性。私が「今日の昼過ぎ頃から左胸のあたりが痛い」ということを告げると、「風邪引いてます?」と確認されました。引いてないと伝えると「なんだろうねぇ、まあ何もないと思うよ」との軽い返答。多少不安(と期待)があった私は「え、何もないのに胸が痛くなるなんてことあるんですか?」
と尋ねましたが「う~ん、でもまあわからないことってあるからね」と医師。
それを解明するのが貴様の仕事だろう!!
と思ったものの、一駅歩いた疲れもあり
「そうですか…」
と引き下がる私。診察料をいくらか払って「これは何代なのだろう」と思いながらタクシーで帰宅する。
家に帰ってから脳内会議を始める。
心臓が痛いとまで言った手前、手ぶら(?)では出社できんぞ…仮病に心臓を持ち出す厄介な奴と思われてしまう…でも胸のあたりが痛いのは本当だし、なんなんだろこれ…
頼みの綱はネットのみ
「心臓 痛み」
「心臓 突然 痛み」
「左胸 疼痛」
疼痛なんて難しい言葉を知って早速検索ワードに取り入れる私。そのうちに、肺に異常がある場合も痛みが出る場合があると知る。なるほど、左胸というとすぐ心臓を思い浮かべるが、他の臓器もあるわけね、なるほど…
左胸の痛みについての知識がどんどん深まる。この中のどれかなのかなー、どれでもないのかなー、それともやっぱたまたまなぜか痛いだけなのかなー…
とりあえず座っててもダルいので横になる。すると

ポコ…ポコ…

?!
体の中から異音がする。それも普段聞かないタイプの。こいつは急いで検索だ!
「肺 ポコポコ 音」

2ちゃんねる某スレ過去ログのレス)

体からポコポコ音がすると思ったら気胸だったWW(というような内容)

これだーーー!!!同じーーーー!!!!


同じく異音が鳴る人が、過去に、この地球のどこかに(大げさか)いたのだ……。なぜか軽く感動。病名も命に別条はないけどよく聞く簡単な病気じゃない感じがちょうどいい。これは早速循環器科セカンドオピニオンだ!ということで、今度は家の近くの病院に行くことにしたのでした。

(つづく)

 

気胸予備軍へのメッセージ◆肺のあたりがほんのり痛いなと思ったら、横になって胸の音に耳を傾けてみること。

漫画やアニメの制服のスカートがみんな短いのはMOTTAINAI

こんばんはたまリモです。

 

今回は漫画やアニメに出てくる女子中高生のスカート丈がみんな短いのはもったいないと思う話を書きます。ついでに、実はあまり知られてないように思う(特に男性には)制服のスカートを短くする仕組みについても前提知識として必要なので、イラスト付きで説明します。

さて、前々から疑問に思っていたんですが、漫画やアニメに出てくる女子中高生って

どうしてみんなスカート短いんですか?

…いや、わかっているんですよ。そこに需要があるからですよね。あの年頃の女子の太ももの価値やパンチラの可能性向上、ラッキースケベの違和感軽減という点は理解しているつもりです。

ただ、なぜみんながみんな同じように短くしちゃうのかな〜と思うんですよね。

女性の方はだいたいご存じのことで、まあ当たり前っちゃあ当たり前なんですが、そもそも制服のスカートって購入した当初から短いわけじゃないんですよ。私も自分の母校しかデータがありませんが、デフォルトはだいたい膝くらいの長さですかね。それをどうやって短くしているのかというと、3パターンあるわけです。

 

どうやってスカートを短くするの?

 

▼こうやります

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1.切る

物理的に切る。(もちろんほつれないように切りっぱなしにせず始末します)

メリット:すごく短くできる。一度切ってしまえば後は楽。

デメリット:自分でやるにせよお店に頼むにせよ、切る際に手間とお金がかかる。あと元に戻せない(流行や自分の気分が変わった場合、一時的に校則の遵守が求められる場合に対応不可)

2.捲く

腰でくるくると捲いて引き上げる。

メリット:手軽

デメリット:あんまり短くできない。経験則的に2回以上の撒きは厳しい(腰のあたりがすごくごわごわする、スカートのヒダがぐしゃぐしゃになる)。

3.ベルト

スカートを引き上げてベルトで固定する。

メリット:けっこう短くできる

デメリット:ベルトを買うお金が必要

 

もしかしたら他に画期的な方法があったのかもしれませんが、私のまわりではこの3パターンでした。

 

どうしてそんなに短いの

ここで冒頭の疑問に戻るんですが、

「どうして漫画やアニメの女のコはみんなスカート短いの?」ということ。

例えば入学式のシーンがあったとして、

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「えっ、もう短いの!?」と思うわけですよ。

入学時から制服のスカートを切ったり捲いたりベルトを使ったりして短くしてくるなんて、結構攻めてるなこのコって思っちゃうんですよね。

それも「服装とか見た目とか興味ないです…」っていう地味キャラも

「破廉恥なっ///」っていうツンデレ委員長キャラも

「とにかく目立たない学園生活を送りたい…」っていうラノベ系やれやれキャラも

みんなみんな短いじゃないですか。どんなお嬢様学校であっても。どういう心理状態でそんな短くしたんだろう…と考えてしまいます。

結局、全校生徒がみんな短いのを見て「きっと元からこの学校の制服の短いスカートは短いんだな」という結論に至ります。そうとしか考えられない。しかしなんたる破廉恥学園。それか超エコ。 

 

スカート丈を読み取りたい

でもって何を主張したいのかと言うと、スカート丈を長くせいというわけではなく、

スカート丈に個性を出してくれたらな〜

ということです。キャラによって胸の大きさが違ったりしますよね。脚(≠足)の太さとか長さとか形が違うこともありますよね。スカート丈も胸や脚のように個性を主張できる要素のひとつであって、それを描かないのはもったいないように思うのです。

大人しい地味キャラなら膝丈くらい長くして、その一方でギャルっぽいキャラはミニスカにすればお互いの個性が引き立つことでしょう。

主人公が第1話では引っ込み思案だったなら、新しい仲間や部活に出会って、心を開いていく内に、だんだんとスカート丈も短く垢抜けていく…と時間の経過と共に変化するのもいいですね。「本編では触れてないけど実は描写されている」っていう「オレは気づいたぜ」要素、好きです。ああでも急に短くなったりすると、その経緯を描いた話がないと違和感になってしまうのかな〜ダメかな〜。

なんにせよいろんなスカート丈を読み取りたいのです私は。

 

おわりに

スカート丈、皆さんはどうお考えでしょうか。私は、たいていの学園モノは一律短いのでいつも気になっていました。もし今まで気にしていなかったら、これからはちょっと気にかけてみてください。知られざるときめきが眠っているはずです。あともしすでに書き分けている作品があれば是非教えて下さい。(少女漫画はありそうですね)

 

おしまい。

システムエンジニアはこうして漆黒に染まる

こんばんはたまリモです。

 

中二病っぽいタイトルにしてみました。中身はそう中二っぽくはありませんのであしからず。


システムエンジニアのイメージってどんなものでしょうか?

集計を取ったわけではないですが、私が初対面の方に「システムエンジニアです」と名乗ったときのリアクションから

 

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という風に思われてるっぽいなあと感じています。あんまりよいイメージがないですね。「大変なんでしょう?」なんて気の毒そうに言われたりもします。こちらも特に否定はしませんが。

天下のYahoo!検索もこのとおり。

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さて、SEがブラックなのは皆さん認識されているようなんですが、なぜこんなにもブラックと言われるのかご存知ですか?

なぜ残業するのか?

なぜ休日出勤しなきゃいけないのか?

今回はそれを絵と文でご説明致します。理由がわかれば、やたら忙しいと愚痴るSEの旦那さんの気持ちがわかるかもしれないですし、学生さんは「SEにだけはなるまい」と心に深く刻めるかもしれません。知っておいて損はないはずです。

……なお、あくまで「こういう場合もあるんだよ」というお話ですので、SEがブラックな要因は記載した内容だけではないと思います。同業者の方は「こんなことはない!」「なんじゃこりゃ!」「真の原因は違うんだよ!」と思ったとしても目をつぶっていただけると幸いです。むしろ違うのであれば是非そちらのお話を聞かせてください。よろしくお願いします。

 

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4月、桜が咲き乱れる頃、株式会社あにまるシステムズでは、あるプロジェクトが始まります。計画は以下の通り。

 

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4月から始まり8月末に完了する5ヶ月のプロジェクトですね。
顔のマークはその月にプロジェクトへアサインする人数を表しています。4月に2人、5月は一人増えて3人、6月は5人、7月は6人、8月は2人必要なプロジェクトということですね。IT業界と、あと建設業界でよく使われるのですが、このようにプロジェクトを完了させるために1ヶ月何人必要か見積もることを「人月(にんげつ)計算」と言います。この例で言うと、2+3+5+6+2の18人月のプロジェクトとなるわけです。
このような数字は、プロジェクトが始まる前のお客さんの見積もりで既に決まっています。「こんなシステムをだいたいこの期間のこの人数で作ってください」と提示していただくのです。それを私たちシステム屋が「はい喜んで!」と受けてプロジェクトは立ち上がるのです。

さて、4月。

新しいプロジェクトの始まり……と言いたいところですが、なんということでしょう。仕事がありません。

 

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今回のお客さんの要望は「たくさんのデータの中から、哺乳類の動物だけ抜き出して紙に印刷する」というシステムをつくってほしいというものでした。(なんだこの例は)

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ここでエンジニアはたくさん質問します。

「哺乳類っていうのは『くま』『いぬ』『かものはし』のことですよね?」

「紙に出すタイミングはいつですか?」

「紙のレイアウトはどうしますか?」

などなど。細かいことかもしれませんが、こういうことが決まらないとシステムは作れないからです。プログラムというものはあらゆる命令を確実に実行してくれますが、逆に言えば「言われてないことはやらない」のです。

「トイレ掃除しといて〜。道具は棚にあるブラシ使ってくれたらいいから」という命令をしたとして、トイレ掃除はしますが、トイレットペーパーがなくても補充したりしません。また、棚にブラシがなかった場合には掃除すらしません。棚にタワシがあったとしてもです。なので、プログラムとしては「トイレ掃除をしろ。棚にあるブラシを使え。ブラシがなければタワシを使え。タワシもない場合は掃除のおばちゃんを呼べ」とまで命令してあげる必要があるのです。面倒ですね。
話は戻って、システム構築のために質問をたくさんお客さんに投げましたね。その答えは……

沈黙。

ハン◯ー試験じゃありません。驚くべきことに、お客さんもはっきりと正解がわからないのです。わからないなりに決めてくれればいいのですが、「決めかねるのでちょっと持ち帰り考えます」と言ったきり、まるで音沙汰がないなんてこともよくあります。

こうして4月は過ぎていきます。この時はとりあえず『くま』・『いぬ』・『かものはし』を紙に出すようなシステムを作る想定で設計を進めます。細かいところはお客さんの回答待ちなので作り込めません。この頃は残業はなく定時に帰れます。未来に面倒をまわしていることの不安はあるものの、束の間の自由を享受します。

 

そして5月。……やることがない。

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まだお客さんから回答はありません。こちらは手を変え品を変え質問をします。

「かものはしはクチバシはあるけれど哺乳類ですから対象にしていいんですよね? ね?」

「前に作った『データの中から魚類を抜き出すシステム』ではこんなレイアウトの紙に出していたので、これと一緒でいいですか?」

などなど。あらゆる聞き方で答えを引き出そうとします。この頃もできる作業は少ないので残業はなく定時に帰れます。しかしこの時期に暇であることは正直恐怖でしかありません。家族との団欒も束の間の幸せと思うと涙が出そうになる頃です。

 

やっと6月。お客様から質問の回答が返ってきました!

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この時点で2ヶ月の遅れです。ほぼ何もしないままに全体の2/5が終わってしまいました。遅れを取り戻すために、今月は8人分の仕事をしなければいけません。現場はてんてこ舞いです。深夜に帰宅することも多くなり、家族で食卓を囲むこともなくなってくる頃です。

 

でもって7月。てんてこ舞いな状況は続きます。

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お客様もだんだんエンジンがかかってきたのか、「哺乳類だけじゃなくて、水の中を泳げる動物も対象にして」「『くま』と出す紙だけは黒字に白い字で出して」と「あれ?初めの頃よりやることが増えてるぞ?」と思うようなことも口にしてきます。それもお客さんが「絶対やらないとダメ!」と言えば対応せざるを得ません。今月も8人分頑張ります。会社から帰らない日が出てくる頃です。

 

とうとう8月。今月末がリリース予定日です……が、結局前半の遅れが響いて、「哺乳類の動物だけ抜き出して紙に印刷する」システムしかできていません。……それで十分じゃないかって? とんでもない! 後から追加で頼まれた

「哺乳類だけじゃなくて、水の中を泳げる動物も対象にすること」

「『くま』と出す紙だけは黒地に白い字で出すこと」

「『ねこ』の紙を出すときは紙の裏面に虹色に光るシールを貼って、それを剥がすと『大吉』『吉』『末吉』『凶』のいずれかを出すようにすること」

ができてないじゃないですか!

その追加分はなんとか9月にまわしてもらうようお客さんに頭を下げます。今月は最後の追い込み、10人分頑張ります。

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察しの良い方はお気づきかと思いますが、8月は元々2人で仕事をする予定でしたよね? けれど実際には10人分の仕事があるとなると、どこからか8人現れて助けてくれるのでしょうか? いいえ、違います。2人で10人分働くのです。5倍です。大丈夫です、1日は24時間あるし、1ヶ月は31日もあります。大丈夫です。ただ、このあたりで離婚する人が出てきたりします。もちろん極まれにですよ。大丈夫です。大丈夫。

さらに9月。8月末で終わる予定がおかしいですね、まだ作業が残っています。気持ち的には俺たちの戦いはこれからだ!ってところでしょうか。

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こうして見ると、予定と現実で顔のマーク、つまり必要な人数がぜんぜん違っていると思いませんか? 不思議ですね〜。見積もりとは一体なんだったんでしょうか。すごく不思議です。SFです。でもやるしかないのです。「なんかもうお金払ってもいいから休みたいなあ」なんて思いつつ、日々を過ごすしかないのです。

 

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なんだかかえってわかりにくい例になってしまった気がしますが、要するに

「お客さんがなかなかどういうシステムをつくってほしいのか決めてくれない、なのに締め切りは延びない。だからSEは特にシステムリリース前に死ぬほど忙しくなるんだよ〜」

ということです。

おわかりいただけたでしょうか?

まわりでSEの方がおりましたら、こういう事情があるんだなあ、大変だなあと、優しく労わってあげてくださいね。ちょっといい目薬なんかをプレゼントすると喜びますよ、きっと。あと一生働かなくていいくらいの大金をあげたりしたらもっと喜びますよ。よろしければ。